| ●クレッシェンド・ボナペティート(グルメ日記) クレッシェンド・ボナペティートについて |
| 第8回 ドレスデンの我が家「レストラン小倉」編 2004/9/22 この「クレッシェンド・ボナペティート」の元祖、月刊『ミセス』の連載でも紹介し たドレスデンのレストラン「小倉」さんに再び訪れた。初めてこのお店を訪れたのは2 年前、ドレスデン・フィルの公演のため。かつて十分な食料すらなかった旧ドイツの都 市ドレスデン、海も近くにないし新鮮なネタなどあり得ない。そんな街の日本レストラ ンということで、まったく期待もせず、それでも「とにかく米は食えるだろう」と ちょっと頑固なドイツ人たちとの仕事疲れを少しでも癒そうと米喰いたさに訪れたわけ。 初めて頼んだ物は、忘れもしないお昼の定食「メンチカツ」。あまりにも美味しいの で、その夜も訪れ、「お昼にいただいたメンチカツできますか?」と、それぐらいこの メンチカツに惚れたのです。やられた〜!で、夜に出てきたのが、表半分メンチカツ、 裏返せばエビフライ! ご主人の小倉さん曰く、「同じものじゃ、つまらないでしょう」 パチパチパチ! これこそ料理人! 大感動の出会いでした。
今回、1週間の滞在で、ここで御飯を食べなかったのは、オケとの練習が伸びてお昼 の営業時間に間に合わなかった1回だけ。あとは、お昼と夜と、毎日2回ずつ寄せてい ただきました。お昼は日替わりの定食。夜はご主人にお任せで、毎日8種類以上出てく る。少なくとも夜だけで50種類以上はいただいたことになる。小倉さんも意地になって るのか、同じものを絶対出さない。でも、どれもが本当に愛情の一杯こもった美味しい 美味しい御馳走。 日本で牛丼が食べられないとニュースで聞いたら牛丼が出てくるし、大阪で美味しい うどんを食べたと僕が言ったらうどんが出てくる。公子が風邪をひいたら生姜の一杯 入ったおかゆさん。ちょっとした会話での一言も次の料理のヒントになるみたい。嬉し いじゃないですか! 「佐渡さんはグルメだねー」そう言われて「ううん、僕ね、美味しいものは大好きだ けど、目玉焼きと御飯でも美味しいものね」と答えたら、出てきたのが、なんとそのま ま「目玉焼き丼」思いっきり直球やなぁと思ったわけだけど、それがそれが、小ぶりの 丼を被っている黄身の部分をお箸でブチューッと潰すでしょ、そしたらネ、その下に、 なんと大トロが御飯と卵の間に何枚も敷き詰められているのです! しかも山ゴボウが 細かく刻んで御飯に混ぜてあるから、コリコリと食感と味にパンチを加えてくれる。間 違いなく今まで食べた最高の一品でした。で、「サド丼」と命名。 最終日のお昼の定食、やはり「メンチカツ」でした・・・。食の神様が出会わせてく れた素晴らしい料理人、小倉さん。これからもドレスデンを訪れる日本人の心をホッと させてくださいね。そして、ドイツ人に日本の料理人の心意気を見せつけてください! 本当に、御馳走様でした。 |
| 第7回 “ヘンクツ親父”と美味いもの! 〜大阪編〜 2004/3/25 いろんなオーケストラに客演で指揮をしに行って、オケのメンバーと一緒にその土地 の美味い飯をワイワイと言いながら食うのは、僕にとって最高の楽しみ。よく食う僕に 付き合うためは、オケのメンバーも奥さんから渡された胃薬を持参するらしい。 すでに長い付き合いとなった大阪センチュリー交響楽団のメンバーとも、練習が終わ ると必ずどこかに行くのだが、最近は僕の複雑な仕事の事情で、会議だ、インタビュー だと、なかなかみんなと思うように付き合えない(・・付き合ってもらえないかな?)。 それでも、必ずここだけは行こうという店、うどん屋「紅葉鍋茶屋」が大阪の箕面に ある。もちろん、うどん屋なのだから、まずはツルツルのシコシコうどんが看板。髭を 蓄えた中国の逆さ絵の様な、優しいのか怖いのかよくわからんおっちゃんが、全体重と 想いをこめて作ったピカピカの一品。 僕は、いつも冷たいざるうどんを頼むのだけれど、欲張ってお箸でガバッと取ってし まうと大変なことになる。何しろ一本が1メートル以上もある太麺だから、最初はしっか り持ち上げて自分の皿に移そうとするのだけど、そのうち立ち上がってもまだ続くこと になり、終いには、椅子の上にあがっても終わりのないということもしばしば...。 まあ、しっかりとした歯ごたえのある最高のうどんだと思う。
ここの名物はうどんだけではなく、その前に必ず出てくる出汁巻き。ほんの少しだけ 甘さが加えてあり、ボリュームも満点。これが御飯と物凄く合う。この出汁巻きと、更 にボリュームを増す天ぷらが付き、もちろん、「えっ!」と驚くうどんが付いて1500円 ぐらいかな? 大体の人は心も御腹も大満足。それどころか、普通は量の多さにギブ アップ宣言となる。
別メニューで、カツ丼(量が多すぎて、御飯にのらずカツとじになっている)がまた 捨てがたい。確かに、僕はよく食べるので、昔は量が第一優先だった。だけど、量が あって美味くなければ、やっぱり続けて食べに行こうとは思わない。おまけに、それで 値段が高いのではなくて、それなりの値段で出してくんなきゃ、佐渡の食神は微笑まな い。
オケのメンバー数人と、ソリストや友人を連れて行くと、まあそれぞれ好きなものを 人数分頼むのだが、この量だから必ず残る。昔はみんなが残した天ぷらやうどんを、最 後に食べ尽くすのが僕の仕事だったが、最近は食べる量も減って(あくまでも昔に比べ てであって、いまだにかみさんは呆れているが)オケの若い衆にお任せするようになっ たのはどうも悔しい。 このお店、本当に美味しい。ただし、逆さ絵のおじちゃんは、一見、変わり者の怖い 人。店にいるお客さんに対応が充分に出来なくなると、台所から凄い剣幕で怒鳴ってい る声が店中に鳴り響く。店の前で待つ人も、いつになったら入れるのか分からない。そ れどころか、随分待った挙句に、「今日は、もう閉めるから」とアッサリとお断り、と 言うこともしばしば...。 「ヘンクツ親父と美味いもの」、これはどんな食べ物にもよく登場するパターン。絶 対にこの店が全国チェーン店を出すことはないだろう。店の近所の人すら、知らない人 が多いこのうどん屋。だけれど、いったん惹きつけられたその味を知れば、どんなこと があっても年に一度はこの味を身体で受け止めたくなる。 どうです? 実はお客さん想いの愛情の塊である、逆さ絵親父の怒鳴り声を聞きなが ら、美味いうどんを食べに行ってみませんか? |
| 第6回 秋の「きのこ」と「休日」のはなし
2003/10/21 食欲の秋! フランスでも『セップ』という美味しいきのこの季節になる。基本的に どこに行っても日本食か中華を追い求める僕だけれど、「たまにはフランス料理もいい か」と言うことで、パリのビストロの本を見て、よさげなレストランでランチをとるこ とにした。 その前に『セップ』というのは、こちらでは値段のやや高い食材かな。と言っても、 1キロ1000円ぐらい。松茸と比べればはるかに安い。生で食べれば食感と香りを楽し める。火を入れればソースを一杯含んで味が倍増する。ちなみに今週は日本からのビデ オで見た『どっちの料理ショー』の「きのこのパスタ」をこの『セップ』で作ってみた。 家で作るなら贅沢にジャンジャンきのこを買ってきた。いろんなきのこで出汁をとった ら、これがめちゃくちゃ美味い! この出汁と生クリームできのこを煮込み、チーズを 2種類からませて、まずいはずがない。残った出汁で、次の日は「きのこのカレー」。
さて話がパリのレストランに戻る。当たり前の話だけれど、やっぱり本職は、味のレ ベル、見た目の美しさ共に全然違う。どうもイメージとして、たいそうなフランス料理 は敬遠しがちだけど、まずこの国の「食を楽しむ」完成度はさすが! と改めて思う。 「食の王様」を実感した。そして何より、レストランに厳しいパリでは、お昼に安く、 しかもかなりなものを気軽に食べさせてくれる。店構えも決して気取らず、大いにお しゃべりをし、隣の人とも時々会話までしてしまう。お昼に2時間は日本じゃ長いが、 この1時間の余分に思える長さが、この国が大事にしている「余裕」なのかもしれな い。 日本も随分と祝祭日が増えた。子供たちも土曜日が休みになり、家族と過ごせる時間 が増えたはず。だけど、この「余裕」は作るものではない。どれだけ忙しくても、お金 をたくさんかければいいといものでもなくって、ちょっとした工夫で十分に味わえるも のなのではないかと思う。ちょっとした半日の休み、これからもちょくちょく、この余 裕補給と素敵な味探しのため、またレストランに出かけてみようと思う。 |
| 第5回 「神戸でクセになったこの味!!」
2003/10/6 毎年お盆の頃になると、友人のジャズトランペット奏者、原朋直さんのマネージャー さんから“駄々茶豆”が届く。枝豆と見た目は同じだが、味はまったくの別物。一口掘 り込むだけで、その味の違いに誰でも気がつき、必ず「えーっ! 美味しい...」と いう言葉がでる。 甘さでもなく、歯応えでもなく、それらはもちろん一杯あるのだけど、自然が生んだ 「美味しさ」が口の中一杯に広がる。この夏は仕事でなかなか神戸の家に帰れなかった けど、神戸のマンションには僕の手作りのバーカウンターがあり、神戸の夜景を見なが らビールを注ぎ、駄々茶豆をかみさんに茹でてもらって、チビチビやった。たった1時 間のOFF。 神戸に住むようになってお酒が好きになった。僕は身体も大きいから大酒呑みに見え るかもしれないけれど、普段はお酒がなくてもいい。まあ宴会は別で、特にシエナ・ウ インド・オーケストラの連中と飲む時は毎回楽しく何を呑んでも美味しく感じる。酔っ 払うとまあ賑やか。やっぱり楽しい酒がいい。 お酒がおいしく感じるようになったのには理由があって、神戸に住みだしてから“あ る習慣”が生まれたからだ。それは、今までほとんど行かなかったのに「BAR」という ところに行くようになった。もちろん毎晩なんて通えないけれど、少々遠回りしてでも、 少々遅くなっても、ちょっとバーに寄って行きたくなった。 「バーなんておっさんの行くところや」と長いこと思っていたけど、まあ僕も十分 おっさんやし...、いやいやそうじゃなくて、この僕が行くバー「Keith」は本当 に気持ちよくお酒と出会わせてくれる。マスターはまだまだ若い30過ぎの井伊さん。 彼を見ていると、なぜか自分の若い頃を見ているような気になる。彼は10代でこの 世界に入り、その世界が面白くて、今も一生懸命。一杯勉強することがあるそうで、 僕にはわからない悩みもあるのだろうが、若くして巨匠の臭いがする。彼が50を過ぎ てシェーカーを振る姿を見るのが楽しみ。 ここで知ったスコッチの美味しさとは別に、もう一つの楽しみは「葉巻」。これもま たある程度年齢と関係するんだろうな...。ちょっと前までは、葉巻何ぞくわえてい るとマフィアの物真似みたいだったもの。今も見た目は知らんが、とにかく美味しく感 じる。 ひと吸いすると、その日のいろんな記憶が蘇る。その記憶は大事なことではなく、 ちょっとした忘れかけていたシーンが吹き出した煙と一緒にもう一度目の前に現れる。 だから葉巻を吸うとき、一瞬目を瞑ってしまう。なぜなら煙を吐くときに現れる記憶 は、その時までわからないから。大きなプロジェクトも大事、そしてちょっとした友人 の笑顔を思い出すことも大事。おいしいお酒と葉巻、本当に癖になりそう。
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第4回 ドイツは飯が美味くない!? 〜ミュンヘン編〜 「ドイツは飯が美味くない」 そこそこヨーロッパを知る人がよく口にする言葉だ。しかし、そのイメージは、今僕 の中でどんどん変化している。 今回はミュンヘンに出かけ、最初はドイツ料理を避け(僕も、そこそこヨーロッパを 知る人ですから)、まずは日本レストランへ直行。まあ、これには裏話もあって、やは り僕みたいに留学生活からヨーロッパに来た人間には、まず日本食を食いたいという想 いがあるのです。二日続け、そこそこに満足した僕は、オーケストラの代表の招待で、 いよいよドイツ料理に行くことに...。 しかし、これが美味しいんだなぁ!! 店構えもとっても御洒落。ドイツのあの独特な 雰囲気を残しながらも、とってもセンスのあるサーヴィス。よくあるきついブイヨンの 味もせず、それぞれの素材を生かした幸せになれる味が口の中に広がった。 ミュンヘンといえば、ビアガーデン。もちろん行きましたよ! 場所はラジオ局の裏 「アルジェンティーナ」。今回すっかりお世話になった水島さん(「佐渡日記」をご覧 あれ)を始め、日本人仲間を誘って。店中思いっきりドイツ人だらけの中で、一つのテー ブルだけ「日本人会」のよう。 豪快な大きさのジョッキがいくつも運ばれ、豚の足がボーン! 鴨がドーン!! ほりゃ!!! ソーセージじゃ!!!! と、がんがんテーブルに叩きつけるようにいろいろな食べ物が運び込 まれる。 しかし! 日本人の女性を甘く見てはいけない、食べるは、食べるは...、僕ね、 ちょっとした憧れがあって、ほら昔の漫画、例えば『リボンの騎士』なんかで悪い王様 が骨についたお肉をグニュって食いちぎるシーンってあったでしょ? あれやりたかっ たから、今回は豚の足にかぶりついた。 みんなも、あっという間に平らげて、大きなビールもお代わり。いったい何百人が ビールを飲んでいるのかわからないぐらいの数のビアガーデン。思いっきり騒ごうが、 踊ろうが、まあ賑やかでいいもの。ウェイターのおじさんも、相当ビールが入っている みたい。だって、明らかに顔が赤いもの。 そうこうしていると、どこからのテーブルから、ドイツ人の兄ちゃんがこっちのテー ブルにやって来た。 「失礼ですが、あなた達は日本人ですか? それとも韓国人ですか?」(兄ちゃん) 「日本人ですけど、どうして?」(僕) 「向こうでね、仲間とどっちか賭けをしてたんです!」(兄ちゃん) そんな会話があったり、横のテーブルのおじさんとは、いろいろな話で盛り上がり、 僕がバイエルン放送交響楽団の指揮者だと知って写真大会になるし...。まあ、あっ という間に酔っ払い! ここまで騒いで初めてミュンヘンの良さを知った気がする。 演奏会を終えて、最後に行ったのはやはり日本食。水島さんのご紹介で「わさび」と いうお店に寄せて貰った。ドイツでもここまで美味しい日本食にありつけるんです ねー。最近は回転寿司がヨーロッパでも大流行。だけど、本当に美味しい寿司は、こう したこじんまりとしたお店で食べなくっちゃね。 確かにドイツにはまだ「食べ物がまずい」という評判は根強い。だけど、そうだから こそ、これからどんどん美味しいものに貪欲になっていくのかもしれない。日本のクラ シック界もある意味で貪欲。何かを輸入するというのは、そうした憧れから始まって、 いつかは輸入物ではなく本当のものにたどり着くのではないかと思う。
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第3回 『親友、九内秀樹にイタリア料理を食べさせる旅』 僕の大学時代からの親友で、ファゴット奏者としてドイツのブレーメン近郊に住む、九内 秀樹がいる。彼は僕よりも早くヨーロッパに来たから、すでに20年近くになるはずなのだが、 いまだイタリアに来た事がないと言う! ヨーロッパにそんなに長く居ながら、イタリアの スパゲッティーを食った事がないというのは、本当にもったいないことで、彼が夏休みに入 った7月、僕と公子で、彼を連れて『九内秀樹にイタリア料理を食わす旅』を計画した。 僕らはオペラの仕事で、南仏エクサンプロヴァンスに来ている。ここからニースまで車で 1時間半、いわゆるコートダジュールを経由して、更に1時間、イタリア国境まで越えちゃ おうというわけ。ちょっとでも超えれば、そこはもうイタリア。きっと、美味しいスパゲッ ティーが食べられるに違いない。さて、食の神は、今回も微笑むのか...... まずは、ニースに向かう。もう海の色が違う。青いというより、本当にエメラルド色。海 の深さの違いで、いろんな色がある。薄い水色、明るい緑色、深い藍色、まぶしい太陽の光 で、大海原は輝いていた。彼とも久しぶりの再会だったし、積もる話もあったので、ニース で一泊することにした。彼とは大学時代ほとんど一緒に住んでいた。まあ、僕が彼の下宿に 居候をしていたわけで、僕がフルート奏者から指揮者に替わった時のことを、誰よりも一番 よく知っている人間だ。昔は狭い下宿で夜中までしゃべったのが、今、ニースで波の音を聴 き、二人で昔と同じように話しているのがとても不思議で、また懐かしかった。 ニースのレストランは有名な所を調べてあった。とは言え何の予約もしていない、行き当 たりばったりの旅。最初の予定のレストランは、なぜか閉まっていた。というわけで、さっ そく次のレストランを案内書で探し、たどり着いたのが「ココレストラン」。ちょうど時間 は日没だった。まずはこの光景を見て欲しい。こんなに美しい景色が世の中にあるのかと疑 った。向こうに見えるニースの砂浜、キラキラした街の光の上には、細い三日月が出ている。 あまりの美しさに、みんな声が無かった。そして出てきた魚料理の、本当に美味しいこと! 全て軽くグリルしてあるのだけど、半生というか、火の通り具合が抜群だ。気の利いたこと に、僕らが日本人であることを知り醤油も用意された。これって、なかなか出てこないんだ よね。「こんなごてごてしたソースより、チョロッと醤油をかけてくれたらいいのに…」と 思うことが本当に多い。こちらの名物、よく冷えたロゼワインがますます僕らを「クレッシ ェンド・ボナペティート!」にする(笑)。最後はカルバドスに火をつけたタルトタタン(林檎 のパイ)で総仕上げ。九内もこの時点で御手上げ。本当に至福の時だった。 |
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ニースの海の色
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ココレストランからの夜景
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| 次の朝、ニースから更に海沿いを走り、F1で有名なモンテカルロを少し見て、いよいよ イタリア国境を越える。わずか数百メートル走っただけで街並みが違う。建物の色が黄色に 変わり、いたるところに洗濯物が干してある。小さなトンネルを越えると、海沿いに美味そ うなお店を発見。メニューに、スパゲッティーボンゴレとピッツアがあるかどうかを確認し、 思い切って入ることにした。お昼の12時にオープンにあわせて入ったのだが、ウェイターは まだ準備ができていないと、なんともイタリア的。ちょっと不安・・・・・ 予定通り、基本形でオーダーをすることにし、ボンゴレ、海の幸のトマトソーススパゲッ ティ、ポルチーニきのこを使ったクリームソースのスパゲッティー、ルコラのサラダ、モッ ツァレーラチーズとトマトの前菜、そしてパルマハムのピザという内容。味のほうは、書く より九内の食っている表情を見てもらおう。説明は要らないと思う。九内が言った。「今ま で食ってたものはなんだったんだろう」 やったね、公子! 『九内秀樹にイタリア料理を食わせる旅』は大成功に終わった。最後 は、素晴らしいデザートと、ラッテマキアート(ミルクに、しみの様にコーヒー入れるという 意味)で総仕上げ。ラッテマキアートを楽しむ九内の表情で、その仕上げ振りがわかってもら えるだろう。食の神様、今回もお世話になりました。後は、何とかこの一人で海にたたずむ 42 歳の独身男に、一緒にこの味を楽しむ素敵な女性をお与えください.....。 九内秀樹、1962年3月生まれ。広島出身。京都芸大を優秀な成績で卒業し、ドイツ国費留 学を得てデトモルトに移り住む。その後、ブレーメンの劇場の契約団員を経て、1990年以降、 現在のオルデンブルグ歌劇場に就職、ファゴット奏者として活躍。結婚暦なし。人柄いたって やさしい。趣味は誰かの影響でゴルフ。ドイツの公務員なので、休みは豊富。現在、6週間の 夏休みで日本に帰国中。 やさしく、明るい、家庭的な嫁さん強く募集中! どうぞよろしく!! |
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ラッテマキアート |
ボルチーニのクリームスパゲッティ
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海の恵みをいただきます
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海の幸のトマトスパゲッティを食すの図
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募集中!!
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第2回「秋刀魚の茶漬け」 前回の「コチジャン・ライス」に比べると、こちらはカロリーを抑えるのにぴったり だと思います。 ヨーロッパにいるにもかかわらず2ヶ月もパリを離れることになった。行き先はエクサ ンプロヴァンス。マルセイユから1時間ほどの南フランスの街。ここで僕は7月に「椿 姫」を11回振る。それの練習を含めると、この5月の終わりから7月の終わりまで、途中 5 日間のミュンヘン旅行を除けば、この仕事に集中する。 と言うわけでエックス行きの荷物はまるで引越しのよう。ゴルフバックでしょう、テ レビゲームでしょう、DVDにヴィデオでしょう、食べ物だってお米30キロ、味噌やら醤 油、まあワゴンカーが荷物で一杯になるだろうなあ。それと、2ヶ月間もの冷蔵庫の中身 も整理しなくっちゃ。 そういえば冷凍秋刀魚が一匹おりました。ヨーロッパでは秋刀魚は捕れないので、ど うしても冷凍で、それはそれは貴重なものです。そして安積君ちで栽培している紫蘇が 届いてた。さらに友人から美味しい梅干を頂いてた。と言うことで、今夜の晩御飯は 「秋刀魚のお茶漬け」でーす。 落語のねたに「うなぎの茶漬け」と言うのがあって、それを目当てに芸事をするとい うのがある。初めて「うなぎのお茶漬け」と聞いたときは驚いたけど、お茶漬けってい ろいろ種類があって結構奥深いよね。 うちの京都の実家では、「お餅のお茶漬け」を食べてたしね。これがまた美味いんだ けど、昔は網の上で焼いたお持ちがプーと膨れてくると、それを醤油の入った御椀に ジュッワーと漬けるわけ。お醤油を含んだお餅を、御飯の上にのっけてお茶をかけるだ け。お漬物は、もちろんお母ちゃんが漬けた白菜の漬物。お茶はほうじ茶。ほうじ茶は お醤油ととても相性がいいと思う。 まあ、お餅に御飯はカロリーを考えるとどうかと思うけど、僕は御飯が大好きだか ら、おかずが美味しいと、ついつい米を食べ過ぎちゃう。その点、お茶漬けならかなり ボリューム感も増す。醤油味のお餅のおこげと、ほうじ茶、これはお茶漬けの基本や ね。 で、秋刀魚も食べる場所によっては苦い。だけど、こいつを焼いて御飯にまぶし、で きればかつおでだしをとった醤油をかけ、紫蘇を刻んで胡麻をかける。梅干はそれだけ だと酸っぱいから、なかなか手を出さないのだけど、こういう苦アッサリ味にはもう一 方からの刺激を足して3Dにしたいわけで、一椀に1個をぐちゃぐちゃに混ぜると、さっ ぱりするわ、苦いわ、こくはあるわとなるわけさ! まあ、お試しあれ! ついでにもう一品。前に『ミセス』で安積君を招待した号で出した、刺身のお茶漬け は、実はちょっと気取っちゃたのねん。本当は、普段うちでよく出すのは、スモーク サーモンで作るお茶漬け。スモークサーモンを胡麻油で少しだけ火を通し(ちょっと色 が出るぐらい)、それを鶏がらスープを少し入れただしに、お茶漬け海苔を半分入れ て、紫蘇と胡麻をかけるのです。あまりにも簡単ですが、これもかなりいけますよ! それではみなさんもお茶漬けネタで、いろいろな掲示板で盛り上がってください! |
第1回「コチジャンライス」 僕はかみさんと結婚するときに、ひとつの願いがあった。「白いご飯と味噌汁を作っ てくれ。」しかし、休みの日は朝早くから一人で起きてゴルフに行くし、仕事のときは ホテル暮らしが多く、なかなかこの願いはかみさんの怠慢ではなく、残念ながらいつも と言うわけには行かない。 そんな暮らしの中、最近やたら食べる機会が多くなっているもの。それはコチジャン と胡麻油、それに韓国海苔。こんなに簡単で、こんなに美味い物が世の中にあったのか と思う。家にいるときはほぼ毎日。たまに抜かすと、恋しくてたまらない。かみさんも 仕事には一緒に付いて来るので、彼女も仕事をしているわけだから、このメニューに 切り替えてきっと助かっていることだろう。まあホント、嘘ではないので一度お試しい ただきたい。 作り方と言うほどではないけど、白いご飯にコチジャンを小さじ一杯ほど混ぜる。 もちろん、コチジャンは唐辛子をペースト状にしたものだから辛さは好みだけど、 きっと市販のものでも、それぞれ辛さと味の深さに違いがある。胡麻油は絶対韓国産が お勧め。日本のものより色が濃く、香りが強い。これをたっぷりかけると太るのかどう か知らないけど、この胡麻の香りがたまらん! 韓国海苔はご存知でしょう? ちょっと塩味のついた、目の粗いやつね。これも、も しお店で小さいパックに入っているやつと、大きな袋に入ってるのがあるなら、絶対大 きなほうが美味しい。これを食べる前に袋の上から食べやすい大きさに畳んでしまうわ け。コチジャンと胡麻油を混ぜて、それを海苔でくるんで食べる。食欲、その他もろも ろクレッシェンド! 応用編として、もちろんキムチがあるとご機嫌だね。更に、僕は時々目玉焼きを半熟 ぐらいで焼いて、このコチジャン御飯にのっける。ちょっと溶けた黄身の味と、刺激の ある御飯が見事にマッチ。それを、冷たいキムチで更に刺激を与え、口の中の温度を下 げる。ああ、また御飯をもう一膳よそいたい。 今はもう大食いではなくなったけど、かつての僕が御飯を食べた量の最高記録は、一 晩に5合。時差で先に寝たかみさんは、翌朝、狐に包まれた気分だったとか... ※コチジャンライスは、あまりにも美味しいので、食べ過ぎには十分注意してくださ い。特に、胡麻油の使いすぎには注意が必要です! |
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